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赤血球が多い

「赤血球が多い」と指摘されたら…?

「赤血球が多い」と指摘されたら…?「赤血球が多い」と指摘された場合、「多血症」と呼ばれる状態で、血液中の赤血球が基準値を超えて増加していることを指します。赤血球の基準値は、成人男性で400~550万個/μL、成人女性で350~500万個/μLとされています。この基準を超えると多血症の疑いがあります。ただし、赤血球数の増加のみでは真性多血症の診断は行えません。真性多血症の診断基準(2016年)には、ヘモグロビン値が男性で16.5g/dL、女性で1.60g/dLを超えるか、ヘマトクリット値が男性で49.0%、女性で48.0%を超えることが記載されています。赤血球数だけでなく、ヘモグロビン値やヘマトクリット値も評価しながら精査していく必要があります。
多血症には、さまざまな原因があります。たとえば、体内の酸素不足を補うために赤血球が増える二次性多血症は、喫煙や睡眠時無呼吸症候群などで見られます。また、血液を作る骨髄自体に異常がある真性多血症では、赤血球だけでなく白血球や小板も増加することがあります。
赤血球が増加すると、血液が濃くなり、血流が悪くなってしまいます。そのため、頭痛、めまい、息切れ、皮膚の赤み、かゆみなどの症状があらわれることがあります。さらに、血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な合併症が引き起こされるリスクもあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。


「赤血球が多い」ときに見られる症状

  • 頭痛
  • めまい
  • 皮膚の赤み
  • 皮膚のかゆみ
  • 手足のしびれ
  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 視力低下
  • かすみ目

など

「赤血球が多い」ときに考えられる病気

真性多血症

真性多血症は、骨髄で赤血球が異常に増加する病気で、血液が濃くなるため血栓リスクが高まります。原因は多くの場合、JAK2遺伝子の変異によります。主な症状には、頭痛、めまい、かゆみ、皮膚の紅潮などがあります。診断には血液検査で赤血球数やヘモグロビンの上昇を確認し、JAK2遺伝子検査も行います。治療には、瀉血やヒドロキシカルバミドなどの薬物治療が用いられ、血栓症の予防が重視されます。高度な検査や治療が必要な場合には、連携する医療機関をご紹介いたします。

二次性多血症

二次性多血症は、体が酸素不足を感じることで赤血球が増加する状態で、肺疾患や心疾患、高地での生活などが原因となります。酸素不足により体が赤血球の産生を促進し、頭痛、皮膚の赤みなどが症状として現れます。血液検査で赤血球数とヘモグロビン濃度が高くなります。原因に応じた治療を行います。高度な検査や治療が必要な場合は、連携する医療機関をご紹介いたします。

相対的多血症

相対的多血症は、体液の減少により血漿量が減少し、相対的に赤血球が多く見える状態です。脱水やストレス、利尿剤の使用などが原因です。症状としては、頭痛、血圧の上昇、疲労感などがあります。診断は血液検査で赤血球数の増加が見られますが、総血液量は変わりません。治療は主に水分補給や体液バランスの回復を中心に行われ、原因となる状態の管理が必要です。

高地赤血球増加症

高地赤血球増加症は、低酸素環境での長期滞在により赤血球が過剰に増える状態です。高地での酸素不足により、体が赤血球を増やして酸素供給を補おうとします。血液検査で赤血球数とヘモグロビン濃度が高くなります。治療は低地への移動が有効です。

エリスロポエチン産生腫瘍

悪性腫瘍が産生するエリスロポエチンにより多血となることがあります。エリスロポエチンは腎臓で産生されることから腎細胞がんによるものが多いですが、肝臓がんや小脳血管芽腫などの報告もあります。悪性腫瘍に対する治療が必要となります。

サラセミア

ヘモグロビンを構成するグロビンの合成障害による先天性の遺伝性疾患です。サラセミアの場合、軽度のヘモグロビン値の低下であるものの、極端にMCV(平均赤血球容積)が低くなり、赤血球数がやや増加傾向になるのが特徴です。日本人においては軽症例が多く、治療が不要の場合がほとんどです。

ストレス多血症

ストレス多血症は、身体的・精神的なストレスや生活習慣によって引き起こされる相対的多血症の一種です。実際に赤血球が増えているわけではなく、血液中の血漿(液体成分)が減少することで相対的に赤血球が多く見えるため、多血症と誤解されやすいです。脱水や慢性的なストレス、喫煙、アルコール過剰摂取などが原因として挙げられます。
ストレス多血症の主な症状には、頭痛、疲労感、めまい、息切れ、動悸、高血圧などが見られます。また、皮膚の赤みの症状も現れることがあります。
血液検査では、赤血球数やヘモグロビン、ヘマトクリット(血液中の赤血球の割合)が高めに見られますが、全体の血液量が減少しているため「相対的な多血症」と診断されることが多いです。
治療の基本は生活習慣の改善です。ストレス管理、適切な水分摂取、禁煙、アルコールの制限が重要です。場合によっては、リラクゼーションや運動療法が推奨されます。


「赤血球が多い」に関するよくある質問

赤血球が多い時、どのような検査を行いますか?

実際に診察し、必要に応じた検査を提案しますが、以下のような検査を実施することが多いです。

  • 血液検査
  • 酸素飽和度測定
  • エリスロポエチン検査

赤血球が多い状態を放置するとどうなりますか?

治療を受けず放置すると、血栓が出来やすくなり、脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。

赤血球が多いことに気づくきっかけは何ですか?

多くの場合、健康診断や人間ドックなどの血液検査にて偶然発見されます。自覚症状はないことが多いですが、頭痛やめまい、かゆみといった症状が起きることもあります。

赤血球が多い状態でも運動できますか?

適度な運動は健康維持に役立ちますが、赤血球が多い状態での激しい運動は避けた方が良いかもしれません。運動中に息切れや胸の痛みがあれば、すぐに運動を中止して医師に相談してください。

赤血球が多い場合、食事で気をつけることはありますか?

特定の食事療法はありませんが、血栓予防のためにバランスの取れた食事を心がけ、適度な水分摂取をすることが推奨されます。アルコールの過剰摂取や喫煙は血液の粘度をさらに高める可能性があるため、控えることが望ましいです。

赤血球が多いと診断されたら、日常生活で気をつけるべきことは何ですか?

日常生活で気を付ける点は、以下になります。

  • 水分補給
  • 禁煙
  • 節酒
  • 定期的な運動
  • 定期的な健康チェック

赤血球が多い状態になりやすい人はいますか?

多血性真性は中高年の男性に多く見られる傾向があります。他の原因による多血症はすべての年齢や性別で発生する可能性があります。