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血液内科

血液内科とは

血液内科とは
「循環器内科」「消化器内科」「呼吸器内科」と異なり、「血液内科」は何を治療できる診療科かイメージが付きづらいかもしれません。特に、大学病院など大きな医療機関と異なり、クリニックでどんな治療ができるのか、さらにイメージが湧きづらいと思います。実際、血液内科は患者様がご自身で血液疾患を疑い受診されるというより、かかりつけ医などから専門医療機関として紹介していただき、来院されることが多い印象です。しかし、「貧血(鉄欠乏性貧血)」など、実は身近な病気も診療している診療科になります。また、健康診断や人間ドックで「白血球」「赤血球」「血小板」が多い/少ないと指摘された際に二次検査(精密検査)として診療するのも血液内科の役割になります。症状としては、動悸や息切れ、めまい、紫斑(皮膚の内出血)などが出ることがあります。なかなか馴染みがない診療科かと思いますが、どんな些細なことでも構いません。お気軽にご相談いただければと思います。


血液疾患を疑う主な症状


血液内科で対応する病気

多血症

多血症は、体内の赤血球が異常に増加する病気です。血液が濃くなり、血流が悪くなり、血栓や脳梗塞などのリスクが高まります。原因には真性多血症(造血幹細胞の異常によるもの)と、喫煙や睡眠時無呼吸症候群などの低酸素状態による二次性多血症があり、治療は原因に応じて異なります。主な治療法には、血液を抜くことで赤血球の数を減らす瀉血(しゃけつ)療法や薬物治療があります。

多血症

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足し、十分な赤血球が作られなくなる状態です。疲労感、息切れ、めまい、顔色の悪さが主な症状で、女性に多く見られます。原因は、鉄分の摂取不足や生理、消化管からの出血などです。治療には鉄剤の服用や、鉄分を多く含む食事が推奨されます。

鉄欠乏性貧血

溶血性貧血

溶血性貧血は、赤血球が通常よりも早く破壊されることで起こる貧血です。原因には自己免疫反応や感染症などがあります。症状には、疲労、息切れ、黄疸があり、診断には血液検査が必要です。治療法は原因に応じて異なりますが、ステロイド薬や免疫抑制薬が使われることがあります。

溶血性貧血

巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血)

巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血)巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏によって赤血球が異常に大きくなる貧血です。そのうち、胃の壁細胞や内因子に対する自己免疫によってビタミンB12の吸収障害が起きたものは悪性貧血と呼ばれます。貧血に伴う疲労感、息切れがみられます。ビタミンB12欠乏の場合には深部感覚障害(バランスの不調)を来すこともあります。ビタミンB12や葉酸の補充が必要です。

骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群(MDS)は、骨髄内での造血幹細胞の異常により、正常な血球が十分に作られなくなる病気です。貧血、出血、感染症のリスクが高まり、急性骨髄性白血病に進行する可能性があります。治療としては、低リスクでは経過観察や輸血による支持療法、高リスクでは骨髄移植や薬物療法があり、必要に応じて連携する医療機関をご紹介いたします。

骨髄異形成症候群

再生不良性貧血

再生不良性貧血は、末梢血でのすべての血球の減少(汎血球減少)と骨髄の細胞密度の低下(低形成)によって起こる貧血です。貧血症状のほか、出血や感染症のリスクが高まります。発症初期には血小板減少だけがみられることも多いです。治療には重症度に応じて免疫抑制療法や骨髄移植が行われます。必要に応じて連携する医療機関をご紹介いたします。

再生不良性貧血

原発性マクログロブリン血症

原発性マクログロブリン血症は、異常な免疫グロブリン(抗体)が大量に産生されることで、血液が粘り強くなり血流障害を引き起こす病気です。主な症状は疲労、出血傾向、視力低下などです。発症後の進行はほとんどの場合ゆっくりであり、症状がなければ経過観察を行うことが推奨されています。化学療法や免疫抑制剤が治療に使われます。必要に応じて連携する医療機関をご紹介いたします。

慢性リンパ性白血病

慢性リンパ性白血病は、リンパ球の異常な増殖によって起こる血液がんです。進行が遅く、無症状のこともありますが、疲労感や感染症に対する抵抗力の低下が見られます。治療としては、進行具合に応じて化学療法や免疫療法となり、必要に応じて連携する医療機関をご紹介いたします。

意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)

MGUSは、血液中に異常な免疫グロブリンが見つかる状態ですが、多くの場合、症状を引き起こしません。しかし、多発性骨髄腫に進行するリスクがあるため、定期的な検査が推奨されます。

急性骨髄性白血病

急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄内の未熟な白血球(芽球)が増殖する血液がんです。急激に進行し、疲労感、出血症状、あるいは感染症に対する抵抗力が低下するため、感染が契機に診断されることもあります。化学療法や骨髄移植が治療の中心となるため、連携する医療機関をご紹介いたします。

急性リンパ性白血病

急性リンパ性白血病(ALL)は、リンパ球芽球が異常増殖する急性の白血病で、特に子どもに多く見られますが、高齢者でも認められます。急速に症状が進行し、発熱、貧血、出血、感染症のリスクが増加します。治療には化学療法や骨髄移植が必要なため、連携する医療機関をご紹介いたします。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ球が異常に増殖し、リンパ組織に腫瘤が形成される血液のがんです。主な症状はリンパ節の腫れ、発熱、盗汗(寝汗)、体重減少です。診断には病理組織学的診断(リンパ節生検)が必須となります。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の大きく2種類に分類されます。その中から、さらに約80種類の病型(組織型)に分類されます。組織型によっては未加療経過観察が推奨される場合もありますが、治療には化学療法や放射線治療が必要なため、必要に応じて連携する医療機関をご紹介いたします。

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫は、異常な形質細胞が増殖する病気で、骨が脆(もろ)くなったり、腎機能障害を引き起こすことがあります。症状には骨痛、貧血、腎不全があり、治療は化学療法となります。年齢や全身状態が許せば自家移植が選択されます。連携する医療機関をご紹介いたします。

骨髄増殖性腫瘍(本態性
血小板症、真性多血症、原発性骨髄線維症)

慢性骨髄増殖性腫瘍は、骨髄で血液細胞が異常に増殖する疾患群で、代表的なものには本態性血小板症、真性多血症、原発性骨髄線維症があります。本態性血小板血症や真性多血症では、病名の血球のみでなく、白血球も赤血球も血小板数も増加することがあります。血栓症に注意が必要です。骨髄線維症は骨髄が線維化してしまう疾患です。骨髄線維症では貧血や血小板数低下が認められます。本態性血小板血症や真性多血症から骨髄線維症になることもあります。

免疫性血小板減少性
紫斑病(特発性血小板
減少性紫斑病)

免疫性血小板減少性紫斑病(特発性血小板減少性紫斑病:ITP)は、免疫系が血小板を攻撃し、血小板が減少する病気です。出血や紫斑が見られ、治療にはステロイドが用いられます。ステロイド不応の場合には、脾摘やトロンボポエチン受容体作動薬などが選択されます。

血栓性血小板減少性
紫斑病

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、血小板が異常に減少し、血栓が全身に形成される重篤な病気です。血小板減少、溶血性貧血、腎機能障害、発熱、精神神経症状が認められることがあります。治療には血漿交換が必要なため、連携する医療機関をご紹介いたします。

好酸球増多症候群

好酸球増多症候群は、血液中の好酸球が異常に増加し、臓器に障害を引き起こす病気です。原因不明の場合も多く、治療にはステロイドが用いられることがあります。


胃の手術をされた方へ

胃の全摘手術を行うと、ビタミンB12の吸収障害が生じます。手術から2~10年後、多くは5年以上経過した後で貧血(巨赤芽球性貧血)になることがあります。巨赤芽球性貧血になると、舌に炎症が起きるほか、末梢神経障害によるしびれ感や感覚鈍麻などが生じたり、髪が真っ白(白髪)になることがあります。胃の手術をされた方で気になる症状がありましたらご相談ください。